空間とは?

2024.12.14

建築の中や外の場を表す時に「空間」という言葉をよく使う。空間を哲学的に解釈すると「時間とともに物質界を成立させる存在形式」という小難しい答えがでてくる。ただ、この解釈はとても重要で、空間は単に物理的なものではなく、時間が伴うということ。つまり空間は、三次元ではなく時間軸が足された四次元だということなんです。
そもそも空間に使われる「間」という漢字は、「門」と「日」が合わさったもので、門から差し込む日差しが時とともに移ろうという、時間がともなう状況を表している。となると、建築や住宅も時とともに人の営みが加わり、四次元である空間として成り立たなくてはいけないということになる。巷には、物理的には素敵だが、時間を計画していないモノが溢れているという今、改めて「空間」をきちんと考えないといけないと、深く思うのです。

新建ハウジングプラスワン2020年5月号
連載「家+具|35」小泉誠

天窓から差し込む光が室内を移ろい、時と季節を感じます。
こいずみ道具店2F
竣工:2013年
施工:幹建設
トンネルの先に陽が漏れ奥行きを感じ、壁の彫刻的時計が時の気配を刻みます。
旧こいずみ道具店
竣工:2003年
施工:菱彩
ステンドグラスから西陽が差し込む茶室で、茶事の時に外の気配を感じます。
つぶ庵・舎庫
竣工:2018年
施工:相羽建設
築60年の建物の改装で、当時の屋根裏の構造体を表し建設時の面影を表しました。
つぶ庵母屋
竣工:2024年
施工:相羽建設